小説家志望の主婦の処女作でありながらベストセラーになった小説、
「フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ」が映画化され、話題になっています。

グレイはイケメンのIT企業の社長の名前。企業名でもあります。
クリスチャングレイは、友人の代わりにインタビューに来た女子大生アナに恋をします。

恋をする・・という言葉が正しいのか不明です。

なぜならクリスチャンには、フツーの男性とは違う嗜好があったから。
でも、映画では、二人の出会い、奥手のアナに近づくクリスチャンの行動は
恋に落ちた男性そのもの。

アナの心を掴み、彼女が処女と知り、とてもロマンチックな一夜を演出する姿からは
後に変貌していく彼の本性は想像できません。

映画では裸のアナ、二人のセックスシーンが過激に描かれていきます。
そして、そのセックスに、SMという形でしか楽しめない、興奮できないクリスチャンの嗜好が
表現されていくのです。

クリスチャンがアナに求めたのは愛ではなく「契約」。
SMプレイに対する細かい規則が書かれた契約書に同意することで、二人のプレイがスタートします。

初めは躊躇していたアナですが、クリスチャンに惹かれる気持ちから歪んだ「契約」に引き込まれてしまうことに。

変質的なセックスと、クリスチャンの歪んだ行動に少しずつ疑問を感じていくアナ。
「どうして普通じゃいけないの?」と問いかけます。

幼少期に受けた心の傷、女性から弄ばれた傷が原因で、フツーに女性を愛することができなくなったと苦悩し、告白するクリスチャン。

そんな彼にアナは・・・。

SAはサディズム(Sadism)と マゾヒズム(Masochism)の頭文字を合わせたものです。
支配と非支配の役割を演じることで、性的欲求を満たします。

こうした性的な嗜好がなぜ形成されるのか?
クリスチャンのように幼少期に、他者に性的虐待によって身体に刻み込まれてしまう場合もあれば、大人になって刺激を追及するあまり、プレイとしてのSMに走る場合もあります。

映画を見ていると、本当の愛を得ることで治るのではないか? そんな気持ちにもさせられます。
が、治らないから病いであり、クリスチャン自身も苦しむのです。

この映画、原作で描かれているのは、そんな男性に対し、愛を貫く女性ではなく
決別を言い渡す強い女性、そんにな二人のラブストーリーです。

ここが読者の心を擽るポイントかもしれません。
愛しているのになぜ別れるのか?
プレイとして恋人同士の間で楽しめないのか?

アナは、異常と感じる行為に、自分自身がはまっていくのかせ怖かった。
とても正常な女性だったのです。

クリスチャン自身は、本当に恋し、相手に振られることで自分自身の病いに向き合うことに。

SMを通して男女のピュアな恋心を描いた、実はとてもピュアな小説、そして映画です。

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「フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ」

監督:サム・テイラー=ジョンソン
出演:ジェイミー・ドーナン 、ダコタ・ジョンソン

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